BLOG

2025/7/17

雑記:subliminal golf

こんにちは!PCLaboの赤松です。
たまには読み物です。
みなさんは数学と聞くとどのようなイメージを抱かれるでしょうか?

私は大学院まで数学を研究したので、一般の方よりは数学について理解があります。
子供のころはなんだかんだ将来に役立つんだろうなぁと思いながら勉強しているものですが、
大人になるとどうでしょうか。一様ではないかもしれません。少なくとも高校数学でしてきた
サインコサインや微分積分は使わないけれど、数学を通して培われた論理的思考力が大いに役立っています。

「数学って結局何に使うんですか?」
大学院で扱う数学は将来に何の役にも立ちません。数学界の発展にだけ役に立つという側面はやはり研究学問です。
私は過去に教育業の経験があり、この手の質問や文句を5億回受けてきました。5兆回かもしれません。いや正直5京から先は数えていません。
まじめな頃は「××で役に立ってるよ!」と具体的な回答を、
未熟だったころは「将来分かったときの喜びのために教えないでおくね」などと逃げていたのですが、それなりに歳を重ねると
「役には立たないよ、役立たせることはできるけどね」とアゲハ蝶みたいなことを言うようになりました。私は旅人。

さて、数学は学問の顔をしたおもちゃです。
・遊び方がわからない人には理解されない
・遊び方がわかってできるようになれば楽しい
・楽しんでいるといろいろなところで使いたくなる
そういうものです。ゴルフが好きだから日常で素振りするのです。

数学は日常に活かすにも空論であることが多く、簡単ではないです。例えばボールを決まった初速で斜めに打ち上げるとき
どの角度ならより遠くまで飛ばせるかという問題を考えます。これは数学だとサインコサインを使って45度で最大という結論に達します。
しかしこれを自然物理で考えると、空気抵抗などが考慮され、45度よりも少し小さい角度での打ち上げが最大となります。
だからゴルフのティーショットは45度で打ち上げていないんですね。

勉強しない理由に「将来の役に立たない」というのは簡単です。数学はそれを頻繁に言われてきたでしょう。
私は子どもたちのその文句が大好きです。「分かる~~~~~↑↑」とか相槌打つとすぐに仲良くなれます。
数学の謎を解明するのは数学のエキスパートですが、数学が役に立つかどうかを考えるのは必ずしも純粋数学者ではありません。
「役立たせることはできる」というアゲハ蝶発言は、本心で子どもたちに伝えていました。

私は数学を通して「○○は役に立たない」と宣う方は、本当にその学問や能力を究めた方なのだと思うようになりました。
数学に限らず、難しいことを役立てようと努力することは別の学問、別の能力だと思います。
純粋数学が神がかり的にできる人よりも、このページで数学という言葉の出現回数を数えるプログラミングができる人や能力のほうが、社会では使えます。悲しい皮肉です。

結論。数学は役に立たないです。ゴルフしましょう。45度はテンプラですよ。

ページ上部へ